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今月の健康記念日

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3月31日は「山菜の日」です。山形県にある全国でも珍しい山菜料理の宿「出羽屋」が(一社)日本記念日協会に申請し、2013年3月31日に認定・登録されました。
出羽屋があるのは雪の多い西村山郡西川町。待ちに待った春の山菜シーズン到来を告げるとともに、3(さん)・3(さ)・1(い)の語呂合わせから、3月が終わるこの日を記念日にしました。もちろん、多くの人においしい山菜の食べ方や保存方法、加工食品などについて知ってもらうのも目的です。今回は山菜の効能や食べ方のポイントを紹介しましょう
 
 
 
🕊古より食材・薬草として利用されてきた山菜
 
春の訪れを感じさせる山菜。俳句でも「ふきのとう」「たらの芽」「うど」などは、春の季語になっているのをご存知の人も多いのではないでしょうか。
山菜とは山野に自生していて、食べることのできる植物の総称です。春の七草(せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ)をはじめ、前述した「ふきのとう」、「たらの芽」、「うど」、そして「こごみ」など、国内にはおよそ300種類あるそうです。
「万葉集」の歌中にも度々登場するように、山菜は遠い古(いにしえ)から人々にとって四季を感じさせる身近な植物で、食材・薬草として利用する習慣がありました。特に戦(いくさ)や飢饉などで食糧が不足した際、飢えをしのぐのに重宝されたのは歴史の語るところです。
食生活が豊かになった現在も、山菜は郷土の味として親しまれている一方、早春の雪解けの中から芽を出す力強さから、その生命力を食すことで健康・美容効果を期待するなど需要は伸び続けています。このため、自生の山菜だけでは賄いきれなくなっており、最近は野菜のように栽培した山菜がスーパーで並ぶようになっています。
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🕊独特の“苦み”こそ健康・美容の有効成分
 
春の山菜は素朴な香りとともに、独特の苦みを持つのが特徴。そして、この苦みこそ山菜の有効成分なのです。
山菜の苦みの主な正体は、強い抗酸化作用がある「ポリフェノール類」と、カフェインの成分と同じ「植物性アルカロイド」です。
ポリフェノールは、細胞の老化を招く活性酸素を除去したり、カラダを錆びつかせる酸化を抑制したりする抗酸化物質です。
一方、植物性アルカロイドはデトックス効果で最近注目されている話題の成分。余分な老廃物をカラダの外に出し、腎臓のろ過機能を向上させて胃腸を刺激し、活性化する働きがあるとされています。
このほかにも山菜は食物繊維が多く含まれ、ビタミン、ミネラルなども豊富。ほとんどが低エネルギーなことから、ダイエットに最適な“春のサプリメント”といえるでしょう。スーパーで入手しやすい身近な山菜は下の通り。ぜひ、食事のメニューに加えてみましょう。
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🕊山菜の風味を楽しんで、健康な春を過ごしましょう!
 
苦みやえぐみを持つ山菜は、調理する際は基本的にアク抜きなどの下処理が必要です。でも、この“アク”にポリフェノールなどの有効成分が含まれているのは前述の通り。なるべく、有効成分を失わずに食べたいですね。
 そんな山菜に適した調理法としては、やはり「天ぷら」が定番です。揚げる際の高温で、苦みやえぐみが程よく抜けて旨味に変化し、香りも損なうことなく楽しめます。
また、ふきのとうやたらの芽、うどなどはお湯でさっと茹でるだけでも食べられるので、「下処理で大変そう」と山菜を敬遠しがちな方にはうってつけの食材といえるでしょう。
先に紹介した4つの山菜の基本的な食べ方は下の通りです。
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山菜の保存方法については、乾燥させる「乾物」、食塩に漬ける「塩漬け」、水あるいは塩水で煮る「水煮」があります。「水煮」については、パック詰めにした加工食品が広く流通しており、スーパーでみかけたことのある方も多いのではないでしょうか。
「春は苦みを盛れ」ということわざの通り、山菜の苦さこそ、この季節ならではの旬の味。独特の風味を堪能しつつ、それぞれの効能を上手に摂り入れ、冬の間に蓄えた老廃物や脂肪などを排出して、元気な春を過ごしましょう。
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取材:山菜料理 出羽屋(記念日制定の経緯など)
参考:旬の食材百科(https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/kogomi3.htm)/Foodie(https://mi-journey.jp/foodie/35776/)/Wikipedia/「山野草カラー百科 食べる薬になる楽しむ」(主婦の友社)/『かしこく選ぶ・おいしく食べる野菜まるごと事典』(成美堂出版) 



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