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今月の健康記念日

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 🕊なぜ、日本人はお風呂が大好きなの?
 
 世界的にも“お風呂好き”で知られる日本人。温かいお湯に浸かり、のんびり過ごすひとときに“癒し”を感じる人はきっと多いはず。シャワーが主流の欧米では、「入浴はカラダを清潔にするためのもの」であり、バスタイムをゆっくり楽しむ発想はないそうです。
 でも、なぜ日本人はこのように、お風呂が大好きなのでしょうか?
まず一つとして、日本の気候風土が挙げられます。夏は高温多湿で汗をかきやすく、冬は乾燥して冷えるため、カラダを清潔に保ったり、温めたりできるお風呂が好まれるようになったとか。これは日本人の潔癖症も育んだ要因と言えそうです。
 もう一つは、火山列島の日本では温泉が多く湧き、古くから豊かな温泉文化が根づいていること。こうした背景もあって、自宅でお風呂を楽しもうという発想が芽生えたのでしょう。
さらにもう一つは、水を潤沢に使える自然環境に恵まれたこと。日本は水源地が多い、世界有数の水資源国なのはご存知の通り。毎日浴槽いっぱいに水を張れることもあり、総務省によると平成20年の統計で日本全国の浴室保有率※は95.5%に上る結果がでました。これは、ほぼすべての一軒家にお風呂がある計算になります。毎日シャワーを浴びることもできない国があると思うと、たいへん贅沢で有り難いですね。
※総務省の同統計は、高普及率が継続していることから平成20年度をもって廃止。
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 🕊意外と知らないお風呂の健康作用
 
 温かいお湯に浸かるとリラックスでき、疲れがとれ、心身ともにリフレッシュできます。このような爽快感を味わえるのは、なぜでしょうか?
入浴がカラダに及ぼす健康作用は、主に「温熱作用」「水圧作用」「浮力作用」の3つにまとめられます。
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 ほかにも入浴には、湯船からの蒸気を吸い込むことで鼻孔の洗浄と保湿ができ、花粉症などのアレルギー症状を緩和させる効果があります。
 また近年の研究で、要介護になるリスクを減らしたり(1400人を追跡調査し、よく入浴する人は3年後に要介護になるリスクが29%も低かった)、幸福度が高まる(毎日お風呂に入る人の幸福度は、毎日入らない人より10%高い)といった効果が明らかになっています。「幸福度が高まる」ことは、私たち日本人は大いにうなずけますね。
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 🕊カラダにいいお風呂の温度と入浴時間は?
 
 一般的にお風呂の適温は38~40℃、入浴時間は10~15分がいいとされています。血行はカラダの深部体温(カラダの内側の体温)を0.5~1℃上げると良くなります。通常はだいたい37℃なので、38~40℃の湯に浸かることで血行を促進させることができます。
人によっては38~40℃の湯は、物足りないかもしれません。どうしても熱い湯に入りたい場合は、出る少し前に沸かすようにしましょう。
参考までに下の表の通り、湯の温度や入浴時間を変えることでカラダへの効果も違ってきます。ぜひ、試してみてください。
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お風呂には健康に良い効果がたくさんありますが、一方で注意すべきこともいくつかあります。「酔った状態でお風呂に入らない」「湯船で居眠りしない」ことはもちろん、「いきなり湯船に浸からない」ようにしましょう。いきなりお風呂に入ると血圧が急上昇し、カラダに負担がかかります。最初にかけ湯かシャワーでカラダを湯温になじませ、足先からゆっくり湯船に浸かるようにしましょう。
また、入浴中はたくさんの汗をかいて、体内の水分やミネラルを失います。入浴前後に200~300mlほどの水分を補給しましょう。特にミネラル入りの麦茶がおススメです。安全に入って、心とカラダの健康のためにお風呂を最大限に楽しみましょう!
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参考:日本入浴協会HP、日本浴用剤工業会HP、サイト「暮らしの健康教室」、サイト「健康のいずみ」、出版健康保険組合会報誌「すこやか」2020年2月号、書籍『最高の入浴法』(早坂信哉、大和書房)、Wikipedia等
    

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