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今月の健康記念日

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11月24日は「いい(11)尿(24)」の語呂合わせから「いい尿の日」です。排尿トラブルの症状に効く「八味地黄丸」(はちみじおうがん)などを開発・販売するクラシエ製薬(東京・港区)が2015年に制定しました。
11月も下旬になると寒さが本格化し、特に高齢の人は頻尿などの排尿トラブルが増えてきます。でも、老若男女問わず、なぜ寒いとトイレが近くなるのでしょう? 今回は尿が作られる仕組みや頻尿の定義、冷えと尿の関係、寒いときの頻尿対策などを紹介します。
 
 
🕊そもそも尿はどうして出るの?~腎臓・膀胱の働き
 
尿は、腎臓が血液をろ過する過程で、不要なものとして排出される水分です。
私たちの体内を循環する血液は、体中の細胞に酸素や栄養素を届けますが、同時に各細胞から老廃物も回収します。その老廃物を含んだ血液が腎臓に入ると、糸玉状の毛細血管の塊である「糸球体」でろ過されて原尿となり、不要なものが尿として排出されるのです。
腎臓でろ過される原尿の量は1日約150リットルに上り、そのうち99%が再吸収され、残り1%が尿として膀胱に送られます。膀胱は約500ミリリットルの容量があり、通常尿が100~150ミリリットル溜まると最初の尿意を感じ、200~300ミリリットルになると我慢できなくなって体外に排出されます。
なお、膀胱には尿意を感じる神経とは別に、膀胱あるいは前立腺が病気になった時に異常を感じる神経もあります。寒さによる尿意は、この神経が刺激されることで起こることがわかっています。

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🕊1日何回トイレに行ったら頻尿?~頻尿の原因
 
頻尿とは、一般的に朝起きてから寝るまでの排尿回数が8回以上、夜中に起きて2回以上の場合にいわれます。
もっとも、人によって体質やライフスタイルが違うため、1日に何回以上が頻尿と定義するのは難しく、8回以下の回数でもトイレの回数が多くなったと自分で感じるなら頻尿といえます。また、8回以上トイレに行ったからといって、それが異常というわけではありません。夜中のトイレも、50歳以上の2人に1人が就寝後に1回以上尿意で目覚め、トイレに起きるデータがあるそうです。
頻尿の原因としては水分の摂り過ぎ、心因性や神経系の異常のほか、下のような疾患が考えられます。

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🕊冷えによって頻尿が起こるワケ~寒いときの対策
 
さて本題。なぜ、寒くなるとトイレが近くなるのでしょうか?
それは寒さに順応したカラダの自然な反応ともいえ、だいたい下のようなことが原因として挙げられます。
 
<発汗量の減少>
寒さで汗や水蒸気となってカラダから排出される水分が減り、その分が尿となってトイレが近くなる。
 
<抹消血管の収縮>
寒さで体温が奪われないように手足などカラダの抹消血管は縮み、その結果、カラダの中心の血液量が増え、腎臓でつくられる尿も増加する。なお、抹消血管が収縮すると、汗や水蒸気となってカラダから排出される水分も減り、尿がさらに増えることになる。
 
<膀胱の筋肉の収縮>
寒さによる刺激が膀胱の筋肉を収縮させ、尿を溜める容量を小さくしたり、尿意を感じさせる神経をたかぶらせてしまう。
 
これら冷えによる頻尿対策としては、まずカラダを冷やさないこと。外出する際は暖かい服装を選び、寝るときには靴下を履いたり、肩当てをするなど工夫してみましょう。
また、冷たいものや水分の摂り過ぎに注意すること。特に利尿作用のあるアルコールや、コーヒーなどカフェインを含む飲み物は気をつけましょう。
このほか、カラダを温める素材を使った食事をとったり、ゆっくり入浴したり、筋肉をしっかり動かす軽めの運動も効果的です。運動のおススメは、大股ウォーキングや末梢血管の血流改善を促すつま先立ちなど。いろいろ対策を練って冬本番に備えましょう。

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参考:クラシエ製薬HP、一般社団法人日本腎臓学会HP「腎臓の構造と働き」、医療法人恵愛会 中村病院HP「泌尿器科」、湧永製薬HP「わくわく健康情報館」、RKBオンライン「健康」、長寿生活「ココロとカラダのハッピー通信」、排泄ケアナビ、Wikipedia等
 
 
    

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