今月の健康記念日
- 2022/04/22
- 11:23
4月23日は「(4)シ(2)ジ(3)ミ」の語呂合わせから、「シジミの日」です。20年にわたりシジミの調査・研究に携わる島根県松江市の(有)日本シジミ研究所が制定し、2006年6月に(一社)日本記念日協会が認定しました。
縄文時代の貝塚から出土されるなど、日本でも太古から身近な健康食として親しまれてきたシジミ。二日酔いに効くイメージが強いですが、ほかにもさまざまな効能があり、小さいながらもすごいパワーを秘めています。今回はシジミの雑学とともに、その健康効果を紹介します。
🕊「シジミ」の種類や名前の由来、旬の時期は?
シジミは淡水域や汽水域(※きすいいき:淡水と海水が混在した水域。川が海に淡水を注ぎ入れる河口部の水域など)に生息する小型の二枚貝です。生物学的には、二枚貝の中でもっとも種数が多い異歯亜綱(いしあこう)に分類されています。
日本に分布するシジミは、淡水性のマシジミ、汽水性のヤマトシジミ、淡水・汽水性のセタシジミ(琵琶湖固有種)の3種類があり、この中でヤマトシジミがシジミ漁獲量の99%以上を占めています。つまり、私たちの食卓によく上るメジャーなシジミはヤマトシジミといえるでしょう。もちろん、マシジミやセタシジミも流通しています。


シジミの名前の由来は、①貝殻表面の輪状の筋が縮んでみえるから、②二枚貝の中では小型なので「縮み」が転じて「シジミ」になった、②煮ると身が縮むことから「縮み」が転じて「シジミ」になった――など諸説あります。ちなみに、シジミは漢字で書くと「蜆」ですが、四季を問わず美味しく食べられるため「四時美」の字があてられることもあります。
シジミの旬は6~7月中旬と1~2月とされ、それぞれ「土用蜆」(どようしじみ)、「寒蜆」(かんしじみ)と呼ばれます。土用蜆が美味しいのは、夏の産卵前で栄養素がたっぷり詰まっていて、身が大きくぷりぷりしているから。一方の寒蜆は、夏の産卵を終えたシジミが越冬に備え、秋から冬にかけ栄養素をたっぷりため込むからだとか。なお、セタシジミの旬は春とされています。
🕊二日酔いだけじゃない?! シジミの秘めた効能
シジミといえば「二日酔いに効く」というイメージが強いですが、それは肝機能を正常に保つオルニチンを多く含むため。オルニチンは私たちの体内にも存在する必須アミノ酸の一種で、肝臓の働きをサポートし、疲労を回復してくれる効果があります。
ほかにもシジミには、胆汁の分泌を促すコレステロールの増加を抑える必須アミノ酸のタウリンを多く含んでおり、肝臓の働きを活発にするビタミンB12は、オルニチンとともに魚介類の中で最も含有量が多いといわれています。シジミが含む成分と健康効果は下の通りです。


毎朝、街に現れる「シジミ売り」が庶民の風物詩だった江戸時代から、健康食として親しまれてきたシジミ。季節を問わず、年中販売されている食材として、今も多くの人の健康を支えています。
みそ汁の具やつくだ煮、しぐれ煮、パスタ、お寿司など、シジミを美味しく食べる方法はいくらでもあります。食卓に上る回数を増やし、一層の健康生活を目指してみては?