今月の健康記念日
- 2021/10/19
- 13:30
毎年10月20日は国際デーの一つ、「世界骨粗鬆症(こつそしょうしょう)デー」です。
1996(平成8)年10月20日、英国の骨粗鬆症学会が骨粗鬆症や骨代謝障害による病気の啓発を目的に始めたもので、翌97(平成9)年から国際骨粗鬆症財団(International Osteoporosis Foundation:IOF)が引き継ぐ形で実施。日本では公益財団法人 骨粗鬆症財団が2008(平成20)年より推進しており、現在90を超える国がキャンペーンに参加しています。
今回は骨粗鬆症の症状や原因、日常生活で実践できる予防ポイントなどを紹介します。
🕊骨粗鬆症は単なる老化現象でなく“病気”です
骨粗鬆症とは、骨の密度が低くなってスカスカになり、ちょっと転んだだけで骨折したり、くしゃみや咳で肋骨が折れたりするなど、骨が非常にもろい状態になっている病気です。医学的には「骨の減少と骨微細構造の悪化の結果、骨の脆弱性を来して骨折しやすくなった全身性骨疾患」と定義されています。
骨粗鬆症には、加齢によって生じるケースが一般的ですが、ホルモンを分泌する内分泌器官の病気によって骨量減少の原因がはっきりしている骨粗鬆症があります。男女別だと50歳以上の女性に多いのが特徴で、理由として①女性は男性と比べて骨量が少ない、②閉経によって、骨の代謝に重要な女性ホルモンが急激に減少する――などが挙げられます。
🕊骨粗鬆症を予防するポイントは3つ
骨粗鬆症は骨代謝の老化現象なので、ある程度の進行はやむをえない面もありますが、日常生活の中で骨量を増やす努力をコツコツ続ければ予防することができます。そんな場合、ポイントになるのが「食事」と「運動」、それに「日光浴」の3つです。
「食事」についてはカルシウムと、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを多く含む食品をとるようにしましょう。
カルシウムは乳製品や大豆製品、小魚、緑黄色野菜、海藻などに多く含まれています。摂取量の目安としては、1日最低で200ミリグラム。牛乳なら1杯、豆腐なら半丁になります。
なお、カルシウムは体内への吸収率が低いため、日頃栄養面に気をつけている人でも他の栄養素に気を取られて不足しがちになるそうです。意識して摂取したいですね。
ビタミンDは腸管からのカルシウム吸収を助け、カラダづくりをサポートする“骨づくり”で欠かせない成分です。多く含む食品にはサケやブリ、マアジ、シラス干し、卵などありますが、食事からだけでなくても、「日光浴」によって皮膚でつくることができます。
日光浴の目安は、夏なら木陰で30分ほど、冬なら日焼け止めを塗らない手のひらを1時間ほど陽にあてるだけでOK。でも、窓越しの日光浴だと、ガラスが紫外線をあまり通さないので効果がないそうです。
🕊ある程度の年齢に達したら骨粗鬆症の検査を
骨を丈夫にするためにカルシウムの摂取は必要ですが、それと同じくらい「運動」も大切です。なぜなら、運動をすると骨の血行がよくなり、骨をつくる細胞の働きを活発にするからです。
また、運動をすることでカラダの筋肉が鍛えられ、身のこなしもよくなって転びにくくなり、骨折防止につながります。
骨の強度を高めるには負荷が大きく、同じ動作を繰り返す運動ほど効果的ですが、無理してきついトレーニングを行って怪我したり、しんどくて挫折したりすると元も子もありません。まずは散歩や自転車など、軽い趣味の範囲から始めてみましょう。
それぞれの運動の目安は下の通り。大切なのは、毎日楽しみながら継続し、生活習慣として定着させることです。

外に出るのが難しいとき(面倒くさい、身体的な問題、寒さ暑さなど)は、スクワットやかかとを上げ下ろしする「かかと落とし」も有効です。
「かかと落とし」のやり方は、両足をそろえてまっすぐ立ち、かかとを上げ、ストンと落とす動作を繰り返します。2秒に1回のペースで50回程度行いましょう。

なお、骨粗鬆症財団では下のような、転倒と骨粗鬆症による骨折を予防する『バランス+筋力』アップ体操を紹介しています。ぜひ、実践してみましょう。
どんなに元気で健康的な生活を送っていても、年齢の影響がモロに出てきてしまうのが骨粗鬆症の特徴の一つ。ある程度の年齢に達したら、骨の検査を定期的に受けることをお勧めします。
女性は閉経し、骨密度が低下し始める50代から年に1回は測定した方がいいそうです。
男性は前述の通り、長期間の寝たきり生活や大きな病気がない場合は、70代までそれほど心配しなくて大丈夫。でも、60歳以上になったら「女性は半年に1回、男性は1年に1回の検査を受けるのが望ましい」と専門家は推奨しています。