今月の健康記念日
- 2021/06/22
- 14:05
でも、なぜ6月22日がDHAの記念日になったのでしょう?
それは、DHAの分子構造に理由があるそうです。
それは、DHAの分子構造に理由があるそうです。
今回はDHAの雑学やDHAがもつさまざまな健康効果や、多く含む食材、効果的な吸収方法などを紹介しましょう。
🕊6月22日が「DHAの日」になったわけ
DHAはドコサヘキサエン酸(Docosa-hexaenoic Acid)の略称で、不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん:1つ以上の不飽和の炭素結合をもつ脂肪酸)の一つです。ドコサヘキサエン酸は下図の通り、6つの二重結合を含む22個の炭素鎖をもつカルボン酸の総称であることから、6月22日が「DHAの日」になりました。
DHAの不飽和脂肪酸はマグロやサンマ、サバ、アジなど青魚に多く含まれるn-3系脂肪酸に分類され、体内でほとんどつくることのできない必須の脂肪酸です。脂肪酸とは脂質(油)を構成する栄養素のことで、n-3系脂肪酸にはDHAのほか、EPA(エイコサペンタエン酸)、肉やリノール酸(コーン油、大豆油など植物油に多く含まれている)に偏った食生活で増加するAA(アラキドン酸)などがあります。
n-3系脂肪酸は体内で生成できないため、食事で摂取するしかなく、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」によると、1日に1グラム以上摂ることが望ましいとされています。
🕊イヌイット、日本子どもたちがDHAを注目させた?!
DHAは、私たち人間や動物のカラダでは脳や目の網膜、心臓、胎盤、精子、母乳に多く含まれており、特に脳内の海馬(かいば)に多く存在します。海馬は記憶や学習の機能をつかさどる部位なので、「DHAを摂ると記憶力が向上して学習効果がある」という一般的なイメージは、確かな根拠に基づいているといえるでしょう。
DHAが注目されはじめたのは1970年代、デンマークの博士たちが行ったグリーンランドのイヌイットの疫学調査に遡ります。野菜をほとんど食べないイヌイットの人々が、なぜデンマーク人よりも健康状態がいいのか。その理由として、彼らが多く食べるアザラシや魚の脂肪に含まれる脂肪酸、すなわちDHAなどにあると結論付けたのです。
さらに1989年、脳栄養科学を研究する英国のマイケル・クロフォード教授が「日本の子どもの知能指数の高さは、日本人が昔から魚をたくさん食べる習慣にもとづく」と発表し、DHAは一段とクローズアップされるようになりました。この説によってDHAの研究が各国で進み、今では下のような効果が明らかになっています。
🕊DHAを上手に摂取する方法
DHAは私たちのカラダに必須の脂肪酸ですが、前述の通り体内で生成できないため、食事を通じて摂取するしかありません。
DHAを多く含む食材といえば、やはり青魚。なかでもマグロやサンマ、サバ、アジなどはとりわけ多くのDHAを含んでいます。マグロなら霜降りのトロの部分がおススメ。またマグロのカブト煮では、目の裏のゼリー状の部分に最も多くのDHAが含まれているのはご存知の方も多いでしょう。
DHAを効率よく摂る方法としては、まずは①DHAは酸化しやすいため、新鮮な魚、旬の魚を食べること。そして、②加熱する場合は、流れ出た脂を旨味エキスとして利用する、③缶詰は汁まで利用する――などが、DHAを逃さないポイントです。唐揚げは、揚げ油の中にDHAが流れ出てしまうため、おススメできません。
DHAなどn-3系脂肪酸は1日に1グラム以上摂ることが望ましいことは前述しましたが、だいたいの目安としは、「刺身」ならマグロ(トロ)で4~5切れ、ブリで6~7切れ、「焼き魚」ならサンマで1/2尾、イワシで2尾、サケで1切れ、「缶詰」ならサバ水煮缶(190g)で1缶(4人分)、イワシ味付缶(100g)で2缶(2人分)です。ちなみに、DHA入り魚肉ソーセージなら1日1本が目安。
参考:厚生労働省HP、文部科学省HP、マルハニチロホールディングスHP、サントリーウェルネスHP、ニッスイ サラサラ生活向上委員会HP、大塚製薬栄養素カレッジHP、Wikipedia等