今月の健康記念日
- 2021/01/21
- 13:00
今月1月22日は「カレーの日」です。2016(平成28)年11月、全国の食品メーカー22社が加盟する全日本カレー工業協同組合により制定されました。
でも、カレーといったら暑い夏に汗をかきつつ、モリモリ食べるイメージ。刺激的なスパイスの薬効が食欲をそそり、夏バテも解消してくれます。それなのに、なぜ、この日なの?
今回はカレーの雑学とスパイスの効用を紹介しましょう。
🕊全国小中学校への「カレー給食」呼びかけが由来!?
カレーが初めて日本に伝わったのは江戸時代末期のこと。鎖国が終わり、横浜港を開港した安政5(1858)年6月2日です。以来日本人に愛され続け、いまや家庭の定番メニューとしてすっかり定着しています。
小中学校の給食メニューの人気アンケートでも、常に上位にランクインするほど子どもたちに大好評のカレー。栄養価も優れていることから社団法人 全国学校栄養士協議会(現在は公益社団法人)が注目し、1982(昭和57)年の「学校給食創立35周年」の際、「全国一斉献立カレーライスの日」と銘打ち、全国の小中学校にカレー給食を出すよう呼びかけました。そして、実行されたのが1月22日だったのです。これにより、1976(昭和51)年の正式導入以来、遅々として進まなかった米飯給食が大いに普及しました。
その後30数年を経て、このとき1回限りだった「全国一斉献立カレーライスの日」を記念日にしようと動いたのが全日本カレー工業協同組合です。「子どもが大好きなメニュー=国民食。全国の学校給食でいっせいに出された事実は、カレーが国民食であることを証明した」として、業界で長く記憶されていました。そして、「国民食であるカレーの一層の普及拡大により、健康で豊かな消費生活の実現に寄与する」ことを目的に、1月22日を「カレーの日」にしようと一般社団法人日本記念日協会に申請し、2016(平成28)年11月に認定・登録されたのです。 

🕊実はいっぱいある「カレーの日」
でも、カレーに関係する記念日は1月22日以外にもあります。
たとえば、今はなき横濱カレーミュージアム(2007年閉館)は冒頭で触れた、横浜開港とともにカレーが日本に入ってきた6月2日を「カレー記念日」としました。この日は日本記念日協会にも認可されており、こちらの方が知られているかもしれません。
また1927(昭和2)年の6月12日、東京の新宿中村屋が喫茶部(レストラン)を開設し、日本で初めて「純印度式カリー」を売り出したことにちなみ、同社がこの日を「恋と革命のインドカリーの日」にしています。「恋と革命」が付くのは、インド独立運動の活動家と老舗レストラン創業者の娘が恋に落ち、結婚したのをきっかけにインドカリーが誕生したという話に由来します。
ほかにも2月12日の「レトルトカレーの日」(1968年に「ボンカレー」が発売された日)、7月6日の「ナンの日」(7<ナ>と6<ム=ン>の語呂合わせから)、9月30日の「クミンの日」(9<ク>と30<ミン>の語呂合わせから。クミンはカレーに欠かせない香辛料)など、さまざまあります。カレーがいかに日本人になじみ深い国民食であるかを伺わせますね。
🕊風邪対策にもおススメ、カレーの薬効
カレーの本場・インドでは、地域や家庭で好みのスパイスをブレンドして、オリジナルのカレーパウダーをつくっています。
一つのカレーパウダーに使うスパイスは、だいたい10~30種類に上るとか。なかでも代表的なのは、黄色味を出すターメリック(うこん)、辛味を出すペッパー(黒胡椒)、チリ(唐辛子)、香りを添えるクミン、コリアンダーが挙げられるでしょう。それぞれの効用は下の通り。
カレーに使うスパイスで共通する効用は、発汗作用で新陳代謝を促し、胃腸の働きも高めて食欲を増進させる点。そうしたことから、「疲労回復にもってこいのメニュー」といわれるのです。スパイスの香りも精神を落ち着かせ、ストレスを抑制してくれることがわかっています。
また殺菌作用も強いため、食べ物の腐敗を防ぐほか、病原菌やウイルスからカラダを守ってくれます。ちなみにカレーに入れる玉ねぎにも、辛み成分のアリシンに強い殺菌作用があるため、風邪など感染症対策にカレーがおススメのようです。カレーを食べて、コロナで閉塞する寒い冬を元気に乗り切りましょう!
全日本カレー工業協同組合