今月の健康記念日
- 2020/11/06
- 12:00
同医会では毎年この日の前後に、皮膚に関する正しい知識を広め、皮膚科専門医への理解を深めるため、日本皮膚科学会と協力して全国各地で講演会や皮膚検診、相談会などのイベントを開催しています。
今回はこれから迎える冬に多い「乾燥肌」の原因や、ケアポイントなどを紹介しましょう。
🕊生活環境や習慣が大きく影響する乾燥肌
寒さが厳しくなると悩まされる“肌の乾燥”や“ひび割れ”。特に皮脂の減少で起こる「皮脂欠乏性湿疹」(ひしけつぼうせいしっしん)、いわゆる“乾燥肌”は、かつて高齢者に多くみられていました。年齢を重ねるとともに皮脂の分泌が減り、ヒアルロン酸やコラーゲンも減少して保水力が低下するからです。
しかし最近は、若い人にも乾燥肌が増えてきました。原因としては、カラダの洗い過ぎやエアコンによる空気の乾燥、不規則な食事、無理なダイエット、ストレスなど、生活環境・習慣の乱れが大きく影響していると考えられています。

乾燥肌の発症しやすい部位としては、汗の少ないすねやふくらはぎ、太ももが主ですが、ひどくなると腕や背中にも起こります。カサカサして、しだいにかゆみを伴うようになるため、ついひっかいて、症状を悪化させてしまうこともあります。
🕊肌を守る角質層の「バリア機能」とは?
私たちの肌は表皮で覆われており、その最表面にある厚さ0.01~0.02ミリという非常に薄い角質層が、かゆみや寒さ暑さ、感触といった感知の察知、発汗による体温調節などの機能を担っています。
また、角質層には「バリア機能」という働きがあり、外部の刺激やアレルゲンなどの侵入から肌を守るほか、肌内部の水分や脂質が逃げるのを防ぎ、潤いのある肌を保ってくれます。
つまり、乾燥肌にならないためには、角質層のバリア機能を守ることが何より大切なのです。
角質層は、アミノ酸などの天然保湿因子(NMF)で満たされた角質細胞がブロック状に重なっており、各細胞のすき間を、セラミドを主成分とする細胞間脂質が埋めています。このセラミドが各々の角質細胞をつなぐことで、バリア機能を発揮しているのです。
そのため、生活環境や習慣の乱れなどで皮膚のターンオーバー(肌の新陳代謝の周期)が狂い、NMFやセラミドなどが減ると、細胞をつなぎとめる力が弱まり、自ずとバリア機能も低下して乾燥肌が生じやすくなります。


🕊肌を乾燥させない日常生活のケアポイント
乾燥肌にならないために、以下のことを日常生活で心掛けましょう。

このほかにも、不規則な食事、無理なダイエット、ストレス、過度の飲酒・喫煙などは要注意。不規則な食事や無理なダイエットは栄養バランスを崩し、肌にさまざまな悪い影響を及ぼします。

このほかにも、不規則な食事、無理なダイエット、ストレス、過度の飲酒・喫煙などは要注意。不規則な食事や無理なダイエットは栄養バランスを崩し、肌にさまざまな悪い影響を及ぼします。
ストレスはホルモンバランスを崩すことで肌の免疫力低下を招き、喫煙は体内の活性酸素を増加させ、肌にいいビタミンを破壊し、肌細胞そのものにダメージを与えます。
加齢とともに皮脂やヒアルロン酸、コラーゲンなどは減り、誰もが乾燥肌予備軍になります。だからといってあきらめたりせず、日頃からはりや潤いを保つケアを心がけて、年齢に負けない美肌で健康的に過ごしましょう。
参考:日本臨床皮膚科医会HP、日本皮膚科学会HP、参天製薬(株)HP、第一三共ヘルスケア サイト『くすりと健康の情報局』、FANCL ONLINE、花王スキンケアナビ、山田養蜂場HP等
参考:日本臨床皮膚科医会HP、日本皮膚科学会HP、参天製薬(株)HP、第一三共ヘルスケア サイト『くすりと健康の情報局』、FANCL ONLINE、花王スキンケアナビ、山田養蜂場HP等