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健康ウォーキング

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秋たけなわ。穏やかな気候で過ごしやすいこの季節は、運動を楽しむのに最適です。ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど、外に出て思いっきり“スポーツの秋を満喫しましょう!
 そこで今回は、気軽に健康・体力づくりができる「エクササイズ・ウォーキング」を紹介します。解説していただくのは『細川磐のグラウンド・ゴルフ読本』(オフィスなかおか刊)の著者で大阪体育大学名誉教授の細川磐先生。30年以上前からその効果に注目し、「無理なく継続できて、ストレスの解消にもなる健康法」として提唱されてきました。
 特別な服装や用具などを必要とせず、シューズひとつで手軽に健康増進!
 さっそく、細川先生にエクササイズ・ウォーキングの特徴や効果、方法などを説明していただきましょう!

◇細川先生著『細川磐のグラウンド・ゴルフ読本』 
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◆エクササイズ・ウォーキングの特徴・効果は?
 
 人が普段歩く速度は、だいたい時速4キロです。しかし、この速さだとエネルギー消費量が少なく、呼吸数や脈拍数もほとんど増加しません。
 そこでエクササイズ・ウォーキングでは、健康・体力づくりを目指すために歩行速度を速め、心肺機能に負荷をかけて、体内への酸素供給量を増加させます。
 その際、背筋を真っすぐ伸ばし、足幅を大きくし、両手も大きく振ることで筋肉などをストレッチさせることも大切です。これにより、胸の筋肉や足の大腿四頭筋(コラム1参照)前脛骨筋(コラム2参照)などが発達し、ストレッチ効果で柔軟性も高まります。
 ほかにもエクササイズ・ウォーキングには、次のような効果があります。
 
 <エクササイズ・ウォーキングの効果>
足、腰の強化につながる。
血液の循環や呼吸を活発にさせる。
脳を刺激し、脳の老化を防止する。
よく眠れるようになる。
精神的ストレスの解消になる。
適正な体重維持ができる。
 
 このように、エクササイズ・ウォーキングは運動負荷がそれほど大きくなく、特別な場所、服装、用具なども必要としないため気軽に実践できます。そのため、日常生活での習慣化(運動継続)も容易でしょう。
 またランニングと比較して、膝や足首の故障を招く危険性がほとんどないほか、歩く速度が時速7キロくらいに達すると、ランニングよりも酸素摂取量やエネルギー消費量が増加することも検証されています。ジョギングを敬遠している人には、まさに打ってつけの健康法といえるでしょう。
 なお、エクササイズ・ウォーキングと競歩を比較した場合、競歩タイムを競うもので、「できるだけ少ないエネルギー消費を狙う」のに対し、エクササイズ・ウォーキング歩行フォームの正しさと大きさで、「できるだけ多いエネルギー消費を狙っている」と定義できます。

     コラム1>
コラム1-2
 
   コラム
2> 
コラム2-2   

 
◆エクササイズ・ウォーキングの具体的な方法
 
 エクササイズ・ウォーキングの具体的な方法は次の通りです。
 
 <エクササイズ・ウォーキングの方法>
背筋を真っすぐ伸ばす。
胸をやや突き出し、あごを引く。
目は前方やや遠くをみるように。
足をしっかりと伸ばす。
歩幅を大きくする(身長−100cmが目安)。
着地をかかとから順に着き、最後に親指で力強く蹴る。
歩調をリズミカルにとる。
歩行時間は少なくとも20分、歩行距離は2キロ以上にする。
自己の体力・体調に応じて歩き、競争はしない。

足の位置
 
ポイント1〜体重移動について
 エクササイズ・ウォーキングは足裏の体重移動も重要なポイント。着地したら、すぐ体重をかかとに移し、正しい姿勢を保ったまま支持脚に完全に乗りきります。そして、かかとから足裏の後半部外側、中央部外側、前半部外側、指の付け根、つま先へと支点を移していきます。
 なお、体重を支持脚に乗せている間は、前進する力が発生しないので、それまでの勢いを失わないことも大切です。
 足の着地  
 
ポイント2〜腕と脚・腰の動きについて
 腕の振りは下図のイラストように、足と腰を振り出すことによって生じる回転力(正回転力)を打ち消すとともに、反対方向の回転力逆回転力)を与えるのが目的です。スピードアップするときは、正回転力(脚・腰の振り出し)が速く強くなるため、それに応じて逆回転力も速く強くする必要があります。
 このことから、力強い推進力を得るには、それに対応した腕の振りが必要になることがおわかりでしょう。
 ただし、腕を「大きく振る」ということは、「力を入れて振る」ことではありません。むしろ、リラックスして振りましょう。
 
脚と腕   

 

◆エクササイズ・ウォーキングをやってみよう!
 
 それでは、さっそくエクササイズ・ウォーキングをやってみましょう! 
 コース設定については、下図のような8の字を描くようなコースがおすすめです。アップダウンを設けるのもポイントでしょう。

コース

 まず、0.6キロのコースをまわり、次に1.4キロのコースへ8の字を描いて歩く。体調が悪かったら、0.6キロで切り上げます。無理をして歩いたら逆効果になるので、くれぐれも自分のコンディションに合わせて歩きましょう。
 また、エクササイズ・ウォーキングの運動効果を高めるためには、アップダウンも必要です。スピードを上げて坂道を昇ると、心拍数が1分間に約144を示すこともあり、より一層の効果が期待できます。
 このほかのポイントを挙げるなら、折り返しコースについては単調でおすすめしません。やはり、風景もバラエティに富ませ、草木や花、街並みなどを楽しみながら歩くなど、長続きするような飽きない工夫もして、エクササイズ・ウォーキングを実践しましょう。
 
 
◆くれぐれも体調に合わせた実践を!
 
気軽に健康・体力づくりができるエクササイズ・ウォーキングですが、やはりどんなスポーツもやり過ぎは逆効果となり厳禁です。常に自分にあった運動量や、体調などを考えて実践しましょう。
また、どんな軽い運動でも準備運動は大切です。健康にいいはずのエクササイズ・ウォーキングで怪我をしたら、元も子もありません。歩く前に軽く屈伸したり、足首を回したり、アキレス腱を伸ばしたりしましょう。できたら全身ストレッチも行えば、なおいいです!
このほかの注意点は下の通りです。
 
1.体調に応じて歩く時間を減らしたり、あるいは休みましょう。
2.水分の補給を忘れずに!
3.暑さ・寒さ対策は万全に行いましょう。
4.持病のある方は、事前に主治医と相談して行いましょう。
5.楽しみながら継続できる工夫を!
 
2.の水分補給については、脱水症状は夏に限らず、寒い冬でも起こりますので気をつけてください。
3.の暑さ・寒さ対策で共通していえることは、吸汗性・速乾性にすぐれた素材を着用するといいでしょう。そして、エクササイズ・ウォーキング後はしっかり汗を拭き取ることを忘れずに。
5.の楽しみながら行うことが大切なのは、前述したコース設定のお話の中でも触れました。エクササイズ・ウォーキングが習慣というより、義務になってくると段々つまらなくなり、継続が難しくなります。1日数分でも構いません。買い物ついでや通勤電車を一駅前で降りて行うなど、楽しみながら継続できる方法を工夫してみましょう。

 
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細川先生による「エクササイズ・ウォーキング」の解説、いかがでしたか? カラダの脂肪を燃焼させる有酸素運動はジョギングやサイクリング、水泳、エアロビクスなどありますが、なかでもウォーキングは手軽に始めることができ、高い人気を誇っています。
そのウォーキングにちょっとだけ、負荷をかけて行うエクササイズ・ウォーキング。特に女性の方々は、気になる部分のシェイプアップも期待できますね。ちなみにウォーキングでダイエットを目指す場合、おすすめの時間帯は朝食前など空腹時がいいとか。まずは、楽しみながらエクササイズ・ウォーキングが継続できるよう、いろいろと挑戦してみてください。

(「エクササイズ・ウォーキング」おわり/次回はマジックや腹話術を駆使し、
世のエルダーたちを元気にしている齋藤和文さん・90歳の古川ひろこさんコンビを紹介!)
 

 

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