今月の健康記念日
- 2023/07/12
- 10:00
🕊肥満男性の9割以上が内臓脂肪の数値が高い!?
加齢とともに気になってくるのが、おなか周りの太さ。目につく“ぽっこりおなか”は肥満を自覚できますが、一見普通の体形で、体重も多くないのに、実は内臓脂肪の数値が高い「隠れ肥満」というケースもあります。この「内臓脂肪」とはそもそも何でしょう?
内臓脂肪は、腹腔内にある内臓のまわりにつく脂肪のことです。脂肪というと健康によくないイメージがありますが、内臓を衝撃から守ったり、カラダを動かすエネルギー源になったりという大切な役割を担っています。けれども蓄積すると、脂質や糖の代謝を助ける生理活性物質の分泌異常が起こり、生活習慣病などのリスクを高める一因になります。
内臓脂肪は体脂肪の一種で、もう一つの種類が「皮下脂肪」です。皮下脂肪はお尻や太ももなど触ってわかる部分につく脂肪で、カラダにつく脂肪のほとんどを占めます。
内臓脂肪は男性につきやすく、男性の肥満の9割以上が内臓脂肪型肥満と言われています。ちなみに内臓脂肪型肥満は、上半身にボリュームがつくことから「リンゴ型肥満」とも呼ばれます。
一方、皮下脂肪は女性につきやすい傾向があり、下半身にボリュームがつくことから「洋ナシ型肥満」と呼ばれます。しかし、閉経後の更年期以降になると女性も内臓脂肪がつきやすくなるので、おなか周りが大きくなってきたら注意しなければいけません。
🕊内臓脂肪の蓄積に影響を与える基礎代謝量とは?
内臓脂肪は誰にでも蓄積するもので、脂肪のつきやすさは年齢と密接な関係があります。具体的には、基礎代謝量の増減が脂肪の蓄積に影響を与えます。
基礎代謝とは、安静時に心臓の動きや呼吸などの生理的な活動によって消費されるエネルギーのこと。この量が多いほど、カラダが生み出すエネルギー量も多くなり、脂肪がつきにくくなります。
基礎代謝量は個人によって異なりますが、一般的には思春期(12歳~17歳)にピークを迎え、その後は年齢とともに徐々に低下する傾向があります。厚生労働省がまとめた「令和元年国民健康・栄養調査」によると、肥満者の割合は男性が40歳~59歳で約4割、女性が60歳~69歳で約3割と、それぞれ中高年でピークに達していることがわかります。
加齢とともに基礎代謝が低下するのは、エネルギー消費量の多い筋肉が減少するためとされています。さらに各臓器の代謝率の低下も、内臓脂肪の蓄積に関与する要因です。
内臓脂肪の蓄積は外見ではわかりませんが、腹囲とBMI(Body Mass Index:体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数)を目安にある程度判断できます。腹囲の測定の仕方とBMIの計算式は下の通り。あなたは大丈夫ですか? おなか周りを測ったり、BMIを計算してみましょう。
🕊適切な食事、適度な運動で内臓脂肪を減らそう!
一見イメージの悪い内臓脂肪ですが、身体機能を調整するアディポカインを分泌するなど、臓器を保護する役割も果たしています。また、内臓脂肪は臓器を正しい位置に保ち、外部からの衝撃を和らげる役割も果たしています。そのため、内臓脂肪がまったくない状態がよいというわけではありません。
でも、内臓脂肪の蓄積量が増えると、アディポカインの分泌異常が生じる可能性があります。これにより、高血圧、脂質異常、高血糖などの健康リスクが高まり、メタボリックシンドロームと呼ばれる動脈硬化が進行しやすい状態に陥る危険が生じます。内臓脂肪の過剰な蓄積には、注意が必要です。
内臓脂肪を減らすためには、やはり適切な食事が何よりも大切。ただし、極端な食事制限は筋肉も減らす可能性があるので、健康的なアプローチを心掛けましょう。
また、適度な運動も内臓脂肪の減少に効果的です。有酸素運動や筋力トレーニングなどを継続的に行うことで基礎代謝が上がり、脂肪燃焼効果が高まります。
また、内臓脂肪の減少には食事や運動だけでなく、生活習慣全体を見直すことも重要です。タバコや過度のアルコール摂取は内臓脂肪の蓄積を促す要因となるため、禁煙や飲酒量の適度な制限も考慮しましょう。さらに、ストレスの管理や質の高い睡眠の確保も内臓脂肪を減らすのに役立ちます。
皮下脂肪と比べて落としやすい内臓脂肪。毎日の習慣を見直しながら、コツコツと減らして健康を維持していきましょう。
参考:厚生労働省HP、FANCL ONLINE、花王「ヘルシア」サイト、LIONウエルネスダイレクト、太陽生命保険「スマ保険」、ハウス通販サイト「ハウスダイレクト」、Wikipedia等
画像&イラスト:写真AC、イラストボックス
画像&イラスト:写真AC、イラストボックス